知覚過敏についての2回目は治療法についてです。
象牙質には無数の小さな穴(象牙細管)があるために、刺激を受けるとしみてしまうというのは前回説明いたしました。
知覚過敏の治療とは、象牙質と象牙細管への刺激を遮断する事なのです!
知覚過敏の色々なケースでどう治療するのか見てみましょう。
エナメル質に亀裂がある場合
エナメル質に亀裂があると、冷たい刺激が象牙質にダイレクトに伝わってしまうためしみてしまいます。
亀裂の場所が明らかな場合は、虫歯と同じように削って詰め物をすることがありますが、目に見えない微細な亀裂の場合は、表面をコーティングしたり、亀裂を目詰まりさせる薬を塗ったりします。
歯茎が下がって象牙質が露出している場合
歯茎が下がってしまうと歯の根のセメント質が露出してしまいます。セメント質はとても薄くもろいので、すぐ下の象牙質がでてきてしまうのです。
その場合には象牙細管を目詰まりさせる薬、またはコーティング剤を塗ります。
歯がすり減って象牙質が露出している場合
この場合は治しにくくなります。
露出した象牙質をコーティングしても象牙細管を目詰まりさせても、噛む力によってすぐすり減ってしまい再びしみてしまうからです。
すり減った歯は、食べ物や飲み物の酸によって非常にしみやすいので、酸性の飲食物の摂取に気をつける事も大切です。
歯ぎしりや食いしばりがあれば、まずそれらを治療していき、その後に薬剤を塗布します。
知覚過敏の治療に使う主な薬剤
グルタールアルデヒド系
こちらはグルタールアルデヒドという消毒薬を含む薬剤です。
グルタールアルデヒドはタンパク質を固める作用があり、これにより亀裂や象牙細管を詰まらせて刺激を遮断します。
シュウ酸系
シュウ酸を含む薬剤です。シュウ酸が歯のカルシウムと結合して結晶化することで、知覚過敏を防ぎます。
MSコートにはさらに微粒子ポリマーが含まれていて、亀裂や象牙細管を目詰まりさせる効果があります。
コーティング系
樹脂で歯の表面をコーティングする薬剤です。効果が高いですが、削れたり剥がれてしまう事があります。
歯磨剤(市販品)
知覚過敏用の歯磨剤は市販されています。
硝酸カリウムや乳化アルミニウムにより象牙細管を塞いだり、フッ素の働きで歯を強化します。
他の薬剤に比べて即効性がなく、効果が出るまで数週間かかります。
まとめ
知覚過敏は人によっては、なかなか治りづらいことがあります。
生活習慣によって引き起こされる場合もあるので、原因をしっかり見極めて対処することが大切です。