ネットや巷では、歯にまつわる噂や迷信が数多く見られます。
それらは、本当に効果があるのか? 本当に安全なのか? 検証してみたいと思います
メラミンスポンジ(激落ちくんなど)で歯の着色を落とす
メラミンスポンジは、コップにこびりついた茶渋や汚れを軽くこするだけで落とすことができます。
これを利用して歯についた着色やヤニを落とそうとする人がいるみたいです。
実際にネットを見ると『歯の汚れが落ちた!』『もう汚れを落としに歯医者に行かなくてもいい!』などと言った過激な書き込みも見られますが…
市販のメラミンスポンジは人体には使用不可!
まず市販されているメラミンスポンジの注意書きには必ず『人体に使用しないでください』という事が書かれています。
歯や人体に対しては絶対に使用してはいけません。
メラミンスポンジはどれくらい硬さがあるのか?
メラミンスポンジは研磨材です。
なぜ汚れが落ちるかというと、汚れを削って落としているからです。
メラミンの硬度(モース硬度)は4です。
これがどのくらい硬いかと言うと…
- 0.5~1.0: 黒鉛
- 2:石膏、岩塩
- 2.5:爪、純金
- 3.5:十円硬貨
- 4:真鍮、大理石、メラミン
- 5:鉄、ニッケル
- 5~6:象牙質
- 6~7:エナメル質
- 10:ダイヤモンド
となります。
ちなみに市販されている歯磨き粉に含まれている研磨剤の硬さは
- 2~3:リン酸カルシウム
- 3:炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム
- 6.5 ∼7.0 :シリカ(二酸化ケイ素)
となっています。
シリカはエナメル質と同じくらい硬いですが、現在シリカ入りの歯磨き粉はあまり売っていません。
また、研磨剤入りと言っても、歯磨き粉全体のほんのわずかな量なので、硬度4のメラミン100%のスポンジはかなり硬い研磨剤であると言えます。
硬さが違くても削れる
『歯磨剤の磨耗性について』 という論文によると
研磨剤としてリン酸カルシウム(硬度2〜3)の入った歯磨き粉で、機械を使い歯ブラシで2時間歯を磨いた比較画像です。
研磨剤の硬度が低くても、目に見えないレベルでは傷がついてしまうのです。
硬度3の研磨剤ですらエナメル質が削れてしまうのですから、メラミンスポンジだとかなり削れてしまうと思います。
もしもメラミンスポンジで歯を磨いたらどうなるのか?
メラミンスポンジで歯を磨いたら、茶渋やヤニなどの汚れは確かに落ちます。
しかし歯の表面には目に見えない細かい傷ができてしまいます。
傷があると以前よりも汚れが付着しやすくなってしまい、これをメラミンスポンジで落とすためにはさらに磨かなくてはならなくなります。
つまり、汚れを落とすためにメラミンスポンジを使う
↓
傷ができて汚れが着きやすくなる
↓
さらに落とすためにメラミンスポンジを使う
↓
さらに傷がつく
↓
…
という無限ループに陥る可能性があります。
そうしてるうちに、歯が摩耗し知覚過敏になったり、虫歯になりやすくなってしまうのです。
実際、ネットの書き込みを見ると、かなりの高頻度でメラミンスポンジで歯を磨いている人を見かけました。
メラミンスポンジを使っていなかったら、そこまで汚れがつかなかったのかもしれません。。。
まとめ
メラミンスポンジで歯を磨くのはやめましょう!