嘔吐から歯を守る! 家庭でできる対策

酸蝕歯

病気やストレス,摂食障害,過食嘔吐などで何度も吐いてしまう場合、歯は胃酸によりダメージを受けてしまいます。

以前ブログで、嘔吐により歯が溶ける現象について書きましたが、その後質問などが多かったので今回は嘔吐から歯を守る方法について詳しく書いていきます。

嘔吐直後の歯磨きは要注意!

嘔吐すると口の中がベタついて気持ち悪いので、歯を磨きたくなるかもしれません。

しかし、嘔吐直後の歯磨きは歯を傷つけてしまう可能性が高いので要注意です!

嘔吐した直後に噛んだり歯ぎしりをすると歯がキシキシ鳴ったり、歯の表面がガサガサになることがあります。

これは歯の表面を覆う唾液由来のタンパク質が失われているのと、胃酸により歯が溶けて脱灰(だっかい)しているためです。

この時、歯の表面は非常に傷つきやすい状態になっているため、歯磨きをしてしまうと歯が削れてしまう恐れがあります

特に研磨材入りの歯磨き粉を使えば傷だらけになってしまいますので、できる限り使用しないようにしてください。

もし、吐いたカスなどが歯に挟まって口をゆすぐだけでは取れない場合は、歯磨き粉をつけずに水だけで優しく磨くか、研磨材の入っていない歯磨き粉を使用してください。

嘔吐したらまずは水で口をゆすぐ

嘔吐直後には、口の中に吐いたカスが残っています。

これらのカスは胃酸を含み、歯にとても悪いので、まずは水で口をゆすいでカスを完全に洗い流してください。

酸を中和する重曹うがい

重曹うがいはアルカリ性の重曹を溶かした水でうがいをします。

アルカリにより口の中に残っている酸を中和するので、普通の水でうがいするよりも歯を守る効果が高いです。

上記のサイトにも書いてありますが、食用の重曹 小さじ1杯(3g)を500mlの水に溶かすだけなので、簡単に作れます。

作り置きして、嘔吐したらすぐ使えるよう常備しておくと良いです。

ガムを噛んで唾液の分泌を促進する

ガムを噛むと唾液が大量に分泌されます。

唾液はカルシウムを含んでおり、歯の再石灰化を促進させます。

また、唾液に含まれるタンパク質が歯をコーティングして酸から守ります。

砂糖の入っているガムや、酸っぱい味のガムは逆効果なので注意してください。

嘔吐後に噛むガムは、キシリトール等のシュガーレスにしてください。

オススメのガムは、グリコのPOs-Ca(ポスカ)です。

POs-Ca は歯の成分と同じリン酸カルシウムを含んでいるため、歯の再石灰化にとても優れています。

さらに、歯を強化するためフッ素を配合したPOs-Ca F という製品もあります。こちらは歯科医院専売ですが、ネットでも買うことができます。

普段からフッ素入りの歯磨き粉を使って歯を強化する

フッ素を使うと、歯の耐酸性が向上して歯が溶けにくくなります。

普段からフッ素入りの歯磨き粉で歯を磨くことで、嘔吐しても溶けにくい歯になります。

歯磨き粉に含まれるフッ素には

  • NaF(フッ化ナトリウム)
  • MFP(モノフルオロリン酸ナトリウム)

の2種類がありますが、フッ化ナトリウムの方が歯に取り込まれやすいので、成分にNaFのある物が良いです。

フッ素の量ですが、現在は最高でフッ素濃度1450ppmの製品が出てます。

なるべくフッ素濃度の高い物を使ってください。

オススメはライオン チェックアップ ジェルです。

こちらの歯磨き粉はフッ素が1450ppm入っているうえに研磨剤不使用なので、歯にとても優しい製品です。

まとめ

嘔吐した際に家庭でできることを挙げてみました。

順番に流れをかくと

  1. 口をゆすいでカスを洗い流す
  2. 重曹うがいで口の中の酸を中和
  3. ガムを噛んで唾液を出し歯を保護
  4. フッ素入り歯磨き粉で歯質強化

となります。

今回は家庭でできる事についてでしたが、次回は歯科医院で行う治療について説明します。

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