矯正と歯の痛みについて(矯正中にスポーツで好成績を取るためにはどうすれば良いか?)

東京2020オリンピックで水泳の大橋悠依選手が、歯列矯正をしながら金メダルを獲得したというのはニュースになりました。

矯正をした方はお分かりかと思いますが、歯に固定式のワイヤーを付ける『マルチブラケット装置』を装着すると、月に1回程度はワイヤーを締め直して調整をします。

この調整直後は歯にかなりの力が加わるので、数日間は痛い思いをする事になります。

痛みは1週間程度続く

矯正による歯の痛みについては、ある程度同じパターンになります。論文によると

矯正歯科治療による歯の移動時には,ほとんど全ての患者に疼痛の発現がみられる.この痛みは矯正装置装着後 2~ 3 時間後に発現し,約 24 ~ 48 時間後に最大となり,およそ 1 週間持続するとされている 。

とあります。

大橋選手も大会が始まる1週間以上前にワイヤーの調整を行ったと考えられます。

矯正の痛みは主に噛んだ時の痛み

矯正による痛みは、常にずっとズキズキしている場合もありますが、噛んだ時に痛む『咬合痛』というものが主体です。

なので、ウエイトリフティングや砲丸投げ等のパワー系のスポーツや、100m走などの瞬発力系スポーツは、噛み締めて力を出す事が多いため、矯正中に好成績を残す事は難しいかもしれません。

逆に、マラソンや水泳といった持久力系のスポーツは、酸素を多く取り込むために口を開けての呼吸が必要となってくるので、咬合痛は影響が少ないと考えられます。

ラグビーや格闘技などの接触系のスポーツは要注意

歯に矯正装置を付けていると、スポーツ用のマウスがピッタリはまらず、ズレたり隙間ができてしまうことがあります。

このような状態でラグビーや格闘技などの激しくぶつかり合うスポーツを行うと、歯やアゴを痛めてしまう原因になってしまう場合があります。

こうならないためにも、矯正中にマウスピースを装着するようなスポーツを行う場合は、矯正の歯科医師やマウスピースを作成する歯科医師相談しましょう。

まとめ

痛みが出ないように矯正を調整する期間をコントロールすれば、矯正中でもスポーツで好成績を取ることは十分可能である。

しかし、相手と激しく接触するスポーツは歯科医師とよく相談し、適切なマウスピースを作る必要がある。

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