
世界一美しい少女のミイラと呼ばれるイタリアのロザリア・ロンバルトをご存じでしょうか。
ロザリアは、将軍であったマリオ・ロンバルドの娘で、1920年に肺炎のため1歳11ヶ月で亡くなり、カプチン・フランシスコ修道会の納骨堂に葬られた。納骨堂に安置されている約8,000の遺体の大半が白骨化している中で、巧みなエンバーミングの施されたロザリアの遺体は、死後100年を経ても生前と変わらぬ姿を留めている。その神秘的な姿から「世界一美しい少女のミイラ」と呼ばれることもある。
Wikipediaより引用
通常であれば遺体は腐って微生物により分解されてしまうか、全身の軟組織が乾燥により縮んでしまい、生きている時とは全く異なる姿になってしまいます。
しかしロザリアのミイラは100年経った現在も、生前の姿そのままを保っている奇跡のミイラともいわれています。
防腐処置のために使用した薬品
どのように防腐処置をしたかについては、長年にわたり謎とされていましたが、2009年にイタリアの生物人類学者ダリオ・ピオンビーノ・マスカリ氏が解明しました。
それによると、ホルマリン,亜鉛塩(塩化亜鉛,硫酸亜鉛) ,アルコール,サリチル酸,グリセリンだったそうです。
完全な状態のミイラを作るためには、菌を完全に殺菌する必要があります。しかし強すぎる殺菌力で遺体が傷んでしまってはいけません。
これはマウスウォッシュ剤に必要とされる性質と似ています。
歯周病菌や虫歯菌を殺菌するためにはある程度の強さの薬剤が必要ですが、強すぎると口の中の粘膜を損傷してしまいます。
ちなみにロザリアのミイラはサリチル酸の殺菌作用と亜鉛塩の防腐効果が大きいと言われています。
サリチル酸と塩化亜鉛入りのマウスウォッシュ剤
ではサリチル酸と塩化亜鉛入りのマウスウォッシュ剤はあるのか?
調べたらありました。
このマウスウォッシュ剤(アストリンゴゾール)の成分はアルコール、水、サリチル酸メチル、ミルラ抽出物、塩化亜鉛、クエン酸 となっております。
ミルラというのは没薬(もつやく)の事で、殺菌作用を持つことが知られており、鎮静,鎮痛作用があり、これもエジプトではミイラを作るときに使用されていました。ちなみにミルラがミイラの語源という説もあります。
アストリンゴゾールは日本では(おそらく)店頭販売しておらず、アマゾン等での注文のみになります。リステリンやモンダミンなどとは異なり、水で薄めて使用するタイプとなっております。
ミイラを細菌による腐敗や、月日の経過による劣化から守った薬剤で、あなたのお口を守ってみませんか。
使用に関しては十分注意し、問題がある場合は歯科医師や医師に相談してください。