先日のYahooニュースでは酸蝕歯についての話題が取り上げられていました。
酸蝕歯についての説明はYahooの記事を読んでいただくのが確実なのでそちらにお任せするとして
このブログでは、酸蝕歯と唾液ついて詳しくお伝えいたします。
唾液があれば酸性の飲食物だけでは酸蝕歯にはなりにくい!?
pH5.5以下になるとエナメル質が溶けだしてしまいますが、pH5.5以下になる状況とはどれくらいのものなのでしょうか?
実際に調べた方の論文を見てみると
100% オレンジジュース嚥下後の各区間における全唾液 pHの変化
実験前の被験者の安静時唾液 pH平均は 7.26でオレンジジュース嚥下後,平均-1.49 低下した.10名中4名は,pHが歯牙脱灰臨界pH5.4を下回ったが,30~60秒にはそれを上回る回復が4名全員に認められた.10分程度でほぼ安静時と同程度まで回復した.
渡部茂 (2010).唾液と口腔内pH
――緩衝能の正しい理解 Health Care Dent,12: 25-31
pH3.5のオレンジジュースを飲んでも、30~60秒で唾液はpH5.5以上になり10分後には完全に元に戻ったそうです。
なぜこうなるのか?
それは唾液のおかげです。
酸っぱいもの(酸性のもの)を食べると唾液が大量に出ます。先程の論文でも通常時の10倍もの量が出るとあります。
これにより酸が薄まってpHが元に戻るのです。
ドライマウスや唾液が少ない時の飲食はご注意
シェーグレン症候群などの病的なものや、ストレスや緊張による唾液量の減少でドライマウスになります。
この状態の時に酸性の物を飲み続けたりすると、口の中のpHが下がりっぱなしで酸蝕歯になる可能性があります。
例えば、仕事時などストレスがかかってる時に 炭酸水を大量に飲んでいたりすると、酸蝕歯になりやすいと言えます。
酸性の飲食物の過剰摂取と嘔吐は危険信号
他の論文を調べてみましたが、酸蝕歯になってしまった例がいくつかありました。
- グレープフルーツを毎日2個食べ続ける
- 黒酢を朝晩コップ一杯飲む
- 過食嘔吐を繰り返す
などでした。
嘔吐を繰り返したりする場合を除いて、普通に飲食する分には酸蝕歯になることはほとんど無いと言えます。
まとめ
通常量の唾液が出て、通常量の飲食をしていれば飲食物によって酸蝕歯になる確率は低いです。
しかし、ドライマウスの場合は起こりやすくなるので、気になる方はかかりつけの歯医者さんに相談してください。