毎日のお口のケアにリステリンを使用している人も多いと思います。
コンビニでも売っているリステリンは手軽に手に入り、とても便利ですよね。
中には「リステリンはスースーするだけで効果が無い」と言う方もいますが、実際はどうなのか調べてみました。
リステリンの有効成分
リステリンの有効成分は下記の4種類です。
- 1,8-シネオール
- ℓ-メントール
- サリチル酸メチル
- チモール
どれも殺菌作用のある成分なので「スースーするだけで全く効果が無い」という事はありません。
プラークにはどれくらい効くのか?
虫歯や歯周病の菌は歯の表面にくっつくと、菌同士がつながっていきバイオフィルムと呼ばれる膜を作っていきます。これが厚くなったのがプラークです。
バイオフィルムに対してリステリンはどれくらい効果があるのでしょうか。
こちらのグラフはリステリンを作用させた後のバイオフィルム内の菌の数です。
- C郡は塩水
- N郡はリステリンナチュラル
- Z郡はリステリンZERO
- F郡はリステリンフレッシュミント
- CHG郡は0.12%クロルヘキシジンという消毒薬です
リステリンは30秒間作用させただけでも菌の数を2/3に減らす効果があります。
今度は5分間作用させた時のグラフです。塩水の半分以下まで菌が減っているのが分かります。
リステリンは様々な味の製品が出てますが、味によって作用に差はありません。
歯磨きせずにリステリンだけでもいいのか?
確かにリステリンを使えば、殺菌効果で菌の数を減らすことができます。
しかし、菌は死んでもバイオフィルム(プラーク)を取り除く効果は無いので、死んだ菌とプラークが歯に残る事になります。
そして時間が経つと、生き残った菌がそれを足がかりに繁殖して、さらに厚いプラークを作ってしまいます。
なので、リステリンだけでは歯磨きの代わりにはなりません。
リステリンの最も効果的な使い方
プラークにも浸透する殺菌効果がありますが、浸透するためには時間がかかる上に効果も減っていきます。
そのため、最初にプラークを歯ブラシ等で除去してから、リステリンを使用する事で最大限の効果が得られます。
口をゆすぐ時間は、メーカー推奨では30秒です。先ほどのグラフを見ると5分間使った方が良いように見えますが、実際の口の中では長時間使えば使うほど唾液で薄まってしまい効果が下がってしまうため、30秒ほどが最適だと思います。
まとめ
- リステリンには殺菌効果(30秒で菌を2/3に減らす)がある
- 製品による効果の差は変わらない
- プラークを分解したり除去する効果は無い
- 歯磨きでプラーク除去後に使用するのがベスト
大墨 竜也ほか:Streptococcus mutansバイオフィルムに対するリステリン®ナチュラルケアの浸透性と殺菌効果の評価 、 日本歯周病学会会誌 、56 巻 3 号 p. 291-301 、2014