前回に引き続き、今回も論文の続きを見ていきます。
毎日の仕上げ磨き
- 仕上げ磨きをしている…9.8%の子が虫歯になった
- 仕上げ磨きをしていない…36.7%の子が虫歯になった
仕上げ磨きの習慣があるとなしでは3倍もの差がでています。
1歳半児における仕上げ磨きの習慣は必ず取り入れていただきたい習慣です。
間食の時間、回数
- 間食の時間を決めている…10.6%の子が虫歯になった
- 間食の時間を決めていない…41.7%の子が虫歯になった
- 間食の回数2回以下…2.8%の子が虫歯になった
- 間食の回数3回以上…41.2%の子が虫歯になった
間食(おやつ)の摂り方は非常に重要です。
乳幼児の虫歯は甘い物が原因となっていることが大半なので、おやつを与えすぎないようにコントロールして虫歯を防ぐことが大切なのです。
この論文の結果を見ても、おやつの時間を決めて回数を2回までにすることで、虫歯のなりやすさが格段に違います。
大人との食器の共有、噛み与え
- 大人との食器の共有 あり…20.0%の子が虫歯になった
- 大人との食器の共有 なし…27.2%の子が虫歯になった
- 噛み与え あり…30.0%の子が虫歯になった
- 噛み与え なし…17.6%の子が虫歯になった
こちらの項目は親からの虫歯菌の感染に関する項目です。
現在は虫歯菌を子供にうつさないために、食器を別にしたり親が一口でも噛んだものは子供に与えないようにしている方が多いです。
様々な意見がありますが、論文から見ると、食器の共用で虫歯になってしまう確率が上がることは確かです。しかし、 その差はわずか7.2%で、仕上げ磨きや間食と比べるとそこまで影響はないように思います。
というのも、たとえ虫歯菌が子供にうつっても歯磨きと間食のコントロールをしっかり行うことで虫歯を防ぐことができるからです。
食べ物の噛み与えでは食器の共用より高くなるので、あまり行わない方が無難です。
まとめ
乳幼児が虫歯になりやすくなる習慣
- 哺乳瓶で甘い飲み物を飲む
- おやつの回数が1日3回以上
- おやつの時間を決めていない
- 噛み与えをする
乳幼児の虫歯を防ぐ習慣
- 仕上げ磨きをする
- おやつの回数2回以下
- おやつの時間を決めている
虫歯の発生にあまり関係のない習慣
- 主な養育者が母親以外
- 1歳半で母乳やミルクを飲んでいる
- 夜間に母乳やミルクを飲む
- 大人との食器の共用(所説あり)
参考文献 、阿部晶子:2歳6ヶ月児のう蝕発病と関連要因の追跡調査 ,口腔衛生会誌 54,17-27,2004