「ストレスによる歯ぎしり,食いしばりが原因です」
歯が痛いときに歯科に行っても虫歯や悪い所が見つからず、歯医者さんから↑のようなことを言われた経験はありませんか?
ストレスが原因と言われても、仕事や人間関係などを、すぐに変える事はできないので、どうすればいいのか途方に暮れてしまう方も多いと思います。
歯ぎしりと食いしばりの違い
歯ぎしりとは、噛んだ状態で顎(あご)を前後左右にスライドさせる事で、別名グラインディングとも呼ばれます
食いしばりは、グッと噛み締めてしまうことで顎は動きません。別名クレンチングとも言われます。
ちなみに歯ぎしりは主に就寝時に多く見られ、食いしばりは起きている時間帯に主に起こります。
今回は、自分でも意識しやすい食いしばりについてお話いたします。
食いしばりの主な症状
- 原因不明の歯の痛み
- 顎の痛み
- 顎の筋肉の疲労
- 頭痛、肩こり
- 歯がグラグラする
などが挙げられます。
主に食いしばりは日中におきるので、夕方や夜頃に上記の症状が出現したり悪化する事が多いのです。
食いしばりの原因
やはりストレスがきっかけとなっている事が多いのですが、はっきりとは分かっていません。交感神経の緊張が原因の1つと言われています。
上の歯と下の歯は食事以外では噛んでおらず、2〜3mm開いているのが正常です。
常に噛んだ状態でいるのは顎や歯に悪影響を及ぼします。
食いしばり改善の呼吸法
腹式呼吸を行います。
- 鼻から5秒間吸う
- 口から10秒かけて吐き出す
たったこれだけです。この呼吸を5〜10分ほど行います。注意点としては過呼吸症候群にならないよう注意し、深呼吸を終えたら鼻で呼吸しましょう。
東京歯科大学で行われた実験で20〜40代の食いしばりがある患者さんに、この呼吸法をしてもらったところ、呼吸法の後に10名中8名が食いしばりが消失し、残り2名は頻度が減ったそうです。
まとめ
パソコンやスマホの操作で前傾姿勢になり、呼吸が浅くなってしまうと、食いしばりが起こりやすくなります。
現代社会でストレスを完全に消す事は不可能ですが、筋肉の緊張は訓練により軽減することができます。
ストレスや食いしばりを感じた時には、意識的に深呼吸を行い普段は鼻でゆっくり呼吸する習慣を身につけることで、食いしばりの予防や改善に繋がります。
参考文献:安藤友彦 :非就眠時ブラキシズムの特性について、歯科学報, 103(2): 156-162