妊娠している場合やアレルギー体質などで、痛み止めとして漢方薬の立効散を処方される事がります。
はたしてこの立効散はどれくらい効果があるものなのか、調べてみました。
立効散の成分
立効散に含まれるのは
- 防風(ボウフウ)
- 細辛(サイシン)
- 升麻(ショウマ)
- 竜胆(リュウタン)
- 甘草(カンゾウ)
の5種類です。
この中の細辛と甘草の鎮痛作用により痛みを抑えることが出来ます。
効果のほどは?
それでは、実際どれくらい効くのか?
論文を調べると、抜歯した20人の患者に立効散を処方して効果を調べたものがありました。
それによると
- 軽度の痛みから無痛になった人→13人
- 中等度の痛みから軽度になった人→4人
- 全く効かなかった人→3人
という結果となりました。
立効散の飲み方
立効散は通常の痛み止め(ロキソニン,ボルタレン,カロナール等)とは飲み方が異なります。
お湯に溶いて、口にしばらく含んで(1分程度)から飲み込むと最も効果を発揮します。
口に含んでいる間は、できるだけ患部に行き渡らせるようにしましょう。
このとき強くブクブクうがいをしてしまうと、抜歯した穴の血餅(けっぺい:抜歯した穴にできるカサブタ)が取れて治りが悪くなってしまうので、注意してください!
考察
立効散は飲み込んで血中に取り込まれて効果を発揮するより、口に含んで患部に直接触れることで痛みを止める効果が強いのだと思います。
そのため、親知らずの抜歯などで、歯肉を切開して骨を削ったりした後の奥深い場所の強い痛みの箇所には、なかなか立効散が行き渡らないので、痛みを止める効果が薄れたのだと考えられます。
まとめ
立効散は正しく服用すれば、軽度〜中等度の痛みには効果が期待できる。
しかし、強度の痛みには少々力不足と思われる。
立効散しか痛み止めを飲むことができない場合を除いて、強度の痛みを止めるためには、ロキソニンやボルタレンを使用した方がよいでしょう。