Tooth wear (トゥース ウェア)という歯の病気があります。
Wearというのはスキーウェアやウェアラブル端末、などのウェアです。
このwearという単語には「衣類」という意味以外にも「すり減る」という意味があります。
Tooth wear とは虫歯以外で歯がすり減ったり欠けていくことなのです。
Tooth wearの症状
歯の摩耗(固いものですり減る)、咬耗(噛むことが原因ですり減る)、酸蝕歯(酸によって歯が溶ける事)により
- 歯がしみる、痛む
- 歯の色が変わる
- 歯の形が変わる
- 噛み合わせが変わって食べにくくなる、噛めなくなる
などがあります。
Tooth wearの原因は何か?
①歯の摩耗:歯の磨きすぎ、固いものを頻繁に食べる(かじる)など
②歯の咬耗:歯ぎしり、食いしばり、加齢変化など
③酸蝕歯:飲食物や酸性のガスなど
などがあげられます。
つまり原因の殆どは癖や習慣などのライフスタイルによるものなのです。
Tooth wearの問題点
Tooth wearの1番の問題点は原因の特定が難しい事です。
歯科に行って視診と問診によって原因が特定できるのが理想的なのですが、患者さんも自身の癖や習慣を自覚していない事が多くあるため、原因がわからないままになってしまう事があります。
その結果、歯がしみたり痛いにもかかわらず「異常無し」や「原因不明」とされてしまい、根本的な改善がされないままになってしまうのです。
例えば
- 健康のためお酢を毎日飲む
- ビタミンCを摂るためレモンを食べる
- アゴを鍛えるため固いものを食べ続ける
- 睡眠時に歯ぎしりをする
など、身体に良かれと思ってやってる事や、無意識でやってしまう事が原因となってしまう事もあります。
Tooth wearの治療と予防
欠けてしまった歯は虫歯と同じようにプラスチックや金属の詰め物で治します。しみて痛む歯には知覚過敏の治療と同じ治療が行われます。
ただし、これらは根本的な治療ではないので、再発を繰り返したり症状が改善しない場合があります。
根本的に治していくには、歯科医師がTooth wearに関する正しい知識を持っている事が重要ですが、患者さんにもTooth wearについて知ってもらい、自分のライフスタイルを見直していただく必要があります。
参考:長野県歯科医師会HP お口に関する話 より