フルーツの酵素で虫歯を治す⁉ 新しい虫歯治療方法とは

その他

料理ではパイナップルやパパイヤなどのフルーツを使ってお肉を柔らかくする料理法があります。

これはフルーツに含まれる酵素が、お肉のタンパク質を分解する作用で柔かくしているのです。

この原理を応用して、虫歯を削らずに、虫歯になって柔らかくなってしまった所だけを酵素で溶かして治す治療があります。

パパイヤの酵素パパインから生まれたPapacarie©

こちらはブラジルで開発された、パパイヤ由来の虫歯の治療薬、Papacarie©です。

虫歯の穴にPapacarieを塗ると、パパイヤの酵素パパインが、虫歯に感染している所だけを溶かしてボロボロになるので、それを取り除けば後は金属やプラスチックで詰めることができます。

同じような薬品として、日本ではカリソルブというものが使用されてますが、こちらは塩素の殺菌,溶解作用を利用している製品なので、Papacarieの方が安全性は高いと言えます。

パイナップルの酵素、ブロメライン

パイナップルの酵素はブロメラインといい、既に日本では医薬品として認められています。

主な使い方は床ずれなどの褥瘡や火傷の治療に用いられ、壊死した組織を酵素が溶解する事で治癒を促進します。

このブロメラインを用いてPapacarieと同じように虫歯に感染した歯を削らずに分解して取り除くことができます。

酵素による虫歯治療の実際

Papacarieは日本では販売されていないため、ネット検索した限りでは日本で導入している歯科医院はありません。(もしかしたらネットには載せずに個人輸入している歯科があるかもしれませんが…)

そこでブロメラインを使って虫歯を治療する方法があります。

『ブロメラインとオレンジオイルを用いた試作齲蝕象牙質除去剤に対する評価』 という論文によると、ブロメラインにオレンジオイルを混ぜることで、酵素の力とオレンジオイルの洗浄,抗菌作用利用し、効果的に虫歯を除去することができると書いてあります。

オレンジオイルはDリモネンと呼ばれる物質を含み、これが齲蝕除去促進と同時に抗菌作用などの 効果を発揮します。

先ほどの論文によるとカリソルブよりも、う蝕を除去の効率が良いとのデータもあります。

酵素を使った虫歯治療は日本ではまだあまり知られていませんが、今後普及していく可能性が高いです。

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