歯の数が生まれつき少ない事を先天欠如と言い、1〜2%の子供に見られます。
歯の生えてくる順番や時期には個人差があり、他の子と比べて歯の数が少ないからと言っても、まだ生えていないだけの事もあります。
3歳児健診の歯科健診などで、歯の先天欠如である事が判明するケースが多いです。
先天欠如の原因
先天欠如になってしまう原因は不明です。
歯の形や歯並びは遺伝する事がありますが、先天欠如が遺伝するケースは少ないです。
親が歯の先天欠如だからといって、子供が先天欠如になるワケではなく、親の歯の数が正常だからといって、子供が先天欠如にならないワケでもありません。
高齢出産により増えるという意見もありますが、ハッキリとしたデータはありません。
先天欠如が起こる歯
先天欠如になる歯はほぼ決まっています。
下の乳中切歯と乳側切歯(アイキャッチ画像参照)によく起こり、それ以外の歯が欠如する事はほとんどありません。
先天欠如があるとどうなるのか?
1〜2本の歯の先天欠如があったからといって、食べる時に影響する事はありません。
多少、歯と歯の間が広く見えて、すきっ歯になることがありますが、乳歯は元々すきっ歯なので、あまり目立つこともありません。
乳歯の先天欠如と永久歯
乳歯に先天欠如があると永久歯も先天欠如になる可能性が高くなります。
論文によれば、乳歯に先天欠如のある子供13人のうち12人が永久歯も欠如していたとの報告があります。
先天欠如は悪い事なのか?
検診で先天欠如であると告げられると、少なからずショックを受ける親御さんがいらっしゃいます。
はたして先天欠如は悪い事なのでしょうか?
現代人は生活習慣の変化により、昔の人と比べ顎が小さくなる傾向にあります。
それにより歯がキレイに並びきれずに歯並びが悪くなってしまいます。
矯正治療では、歯並びを治すために歯を抜いたり、削って隙間を作る事も多いので、先天欠如により歯並びがキレイになる事もあります。
なので歯の数が少ないからと言って悲観する必要はありません。
先天欠如は人類の進化によるものなのかもしれません。