歯並びが決まる要素は、遺伝だけではありません。
舌や唇の筋力、癖や習慣による外力によっても歯は移動します。
舌は歯列を外側へ押し広げる
舌は外側へと広げる力をかけます。
生まれつき舌が無い“無舌症”の場合は歯はどんどん内側に倒れてきてしまい、左右の奥歯同士がくっついてしまうこともあります。
逆に、舌が大きい“巨大舌”の場合は、歯が外側に開いて、すきっ歯や前歯が噛み合わない開咬になってしまいます。
舌で歯を押し続けると…
一度、唾液や水を飲んでみてください。
飲み込む時に、舌先の位置はどこにありましたか?
赤丸の場所に舌先があった方。
舌は正しい位置にあります。
歯並びを歪める舌突出癖
舌の筋力が弱かったり、舌の裏スジが張っていると舌を十分に上げることができません。
そのような場合は嚥下(飲み込み)をすると舌先は
上あごまで届かず、青丸の場所(歯の先端)にあたっていることが多いです。
そうすると食べたり飲んだりするときに、歯に力がかかってしまいます。
これが何年も続いてしまうと…
このように舌の力によって上下の前歯がこじ開けられて、奥歯は噛んでいるのに前が閉じない状態になってしまいます。
これが『開咬(オープンバイト)』と呼ばれる状態です。
子供が開咬だったら…
開咬は矯正でも治りにくく、治っても後戻りしやすいです。
開咬が見られたら幼少期のうちに舌を正しい位置で飲み込みができるよう訓練をして舌を鍛える事が大切です。