虫歯の減少と新たな疾患の出現

その他

まずはこちらのグラフをご覧下さい。

中学生で虫歯のある生徒の割合を見てみると1984年(昭和59年)では92.24%でしたが、2017年(平成30年)では35.41%まで減っています。

今や中学生の3人に2人は全く虫歯がない状態なのです。

歯磨きの徹底や、フッ素入り歯磨き粉などのデンタルケアグッズの普及で虫歯は年々減り、今後も減り続けると思います。

はたして、このまま虫歯が無くなれば人類は歯医者に通わなくても済むようになるのでしょうか?

残念ながらなりません。

たとえ虫歯にならなくなったとしても、世界で最も多くの人がかかっている病気である歯周病が控えています。

では、その歯周病を治す画期的な薬や治療法が登場したら、今度こそ人類は歯のトラブルから解放されるのか…?

またもや残念ながらそうはならない可能性が高いでしょう。

なぜなら1つ病気を根絶したとしても他の病気にかかるようになるだけなのです。

抗生物質の登場は死因をどう変化させたか?

1940年代に抗生物質が発明され実用化されました。それまで(1930年代)の死因は

  1. 胃腸炎
  2. 肺炎および気管支炎
  3. 全結核

というように、感染症による死亡が上位を占めていたのです。

そこに抗生物質の発明で、感染症による死は劇的に減っていきました。

それで、ほとんどの人が老衰による死を迎えられるようになったのかと言えばそうではありません。

1960年代の死因トップ3は

  1. 脳血管疾患
  2. 悪性新生物(がん等)
  3. 心疾患

というように、抗生物質では治療できない病気へと変化しました。

感染症で死ぬことが少なくなったからと言って、病気で死ななくなったワケではないんですね。

それと同じで虫歯や歯周病といった、現在上位を占める歯科疾患が無くなっても、他の歯科疾患が上位になるだけで、歯のトラブルが全て消えるわけではないのです。

今後の歯医者が直面する新しい疾患

虫歯は確実に減り、歯周病も今後は予防が進んで確実に減っていくと思われます。

実は今、その影で新たな歯科疾患がジワジワと増えてきているのです。

虫歯でも歯周病でもない… でも歯がどんどん欠けたり減って痛むようになる…

それは食いしばりや食生活など、本人の習慣や癖で歯をダメにしてしまう恐ろしい病気「Tooth Wear(トゥース ウェア)」と言います!

Tooth Wearの詳しい説明は次回です!

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